最終更新日: 2021年11月14日
AKKESHI 厚岸蒸溜所
牡蛎の名産地として知られる北海道東部の厚岸町に、食品原材料の輸入商社を営んでいた樋田恵一氏が創業。2013年より試験熟成を行い、16年に蒸留開始。立ち上げの段階からスコットランドのフォーサイス社が全面的に携わり、同社の技術者が数ヵ月間滞在してノウハウを注ぎ込んだという。蒸留所は厚岸湾から2キロほど入った湿地帯にあり、夏は涼しく海霧が立ち込めることもしばしば。冬の積雪は道内では少ないほうで、アイラ島のウイスキー造りを手本とする同社にとってはまさに理想的な環境といえる。
仕込みはワンバッチ麦芽1トン。ポットスチル2基はいずれもストレートヘッドのオニオンシェイプで、ステンレス製の発酵槽6基を備える。糖化槽はセミロイター式。熟成庫はダンネージ式とラック式がそれぞれ2棟ずつ。仕込水は蒸留所のそばを流れる尾幌川のピートを含んだ軟水を使用する。麦芽はスコットランド産のものに加え、地元厚岸産の二条大麦「りょうふう」を使うなど、テロワールを意識した “厚岸オールスター”のウイスキー造りを目指している。
2020年には蒸留所初のシングルモルト「SARORUNKAMUY」をリリース。これは200mlのボトルだったが、同年秋からフルボトルのシングルモルト、ブレンデッドを発売。第1弾の「寒露」を皮切りに、日本の四季を題材にした「二十四節気シリーズ」を続々と展開中。また、2021年秋からはモルティングにも挑戦するという。
所在地 | 北海道厚岸郡厚岸町宮園4丁目109-2 |
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オーナー | 堅展実業 |
創業年 | 2014年 |
生産開始年 | 2016年 |
仕込水 | ホマカイ川(尾幌川上流) |
年間生産能力 | 10万リットル |
麦芽仕込量(ワンバッチ) | 1トン |
モルティング | 無 |
麦芽のフェノール値 | スコットランド産ヘビリーピーテッド、ノンピート(クリスプ製)、りょうふう(厚岸産)、厚岸産ピートを使用予定 |
モルトミル | ローラーミル(アランラドック製) |
マッシュタン | ステンレス・セミロイタータン(フォーサイス製) |
麦汁量 | 5,000リットル |
イースト菌/量 | マウリ製ドライイースト |
ウォッシュバック/数/容量(張込量) | ステンレス製(フォーサイス製)×6基/5,000リットル |
初留器タイプ/数/容量(張込量) | ストレート型(フォーサイス製)×1基/5,000リットル |
再留器タイプ/数/容量(張込量) | ストレート型(フォーサイス製)×1基/3,600リットル |
加熱方式:初留/再留 | ラジエーター |
冷却装置:初留/再留 | シェル&チューブ |
樽詰度数 | 63.5% |
ウェアハウス/貯蔵 | ダンネージ式(4段)×2棟、ラック式×2棟 |
ボトリング設備 | 有 |
ビジターセンター/見学 | 無/原則不可、「厚岸味覚ターミナルコンキリエ」主催見学ツアー有 |
製品 | ウイスキー |
特記事項 | 敷地面積2,960平方メートル。HACCPに基づく食品衛生管理体制を目指す。2021年秋からモルティングを導入予定。 |
1982(昭和57) | 堅展実業、東京都千代田区に設立。食品原材料、酒類の輸出入を取り扱う。 |
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2013(平成25) | ウイスキーの試験熟成開始。 |
2014(平成26) | 北海道厚岸町との事業協定締結、蒸留所創業年。 |
2015(平成27) | 厚岸蒸溜所の建設を開始。 |
2016(平成28) | ウイスキー製造免許を取得、厚岸蒸溜所開設。蒸留開始。 |
2017(平成29) | 第2熟成庫を建設。地元大麦の委託栽培を開始。 |
2018(平成30) | 「厚岸ニューボーン・ファンデーションズ」(1および2)発売。第3熟成庫を建設。 |
2019(平成31/令和元) | 「厚岸ニューボーン・ファンデーションズ」(3および4)発売。 |
2020(令和2) | 厚岸ウイスキー「サロルンカムイ」、二十四節気シリーズ第1弾シングルモルト「寒露」発売。第4熟成庫を建設。 |
2021(令和3) | 厚岸ウイスキーブレンデッド「雨水」「処暑」、シングルモルト「芒種」「立冬」、北海道限定および厚岸町民向け限定「厚岸ブレンデッドウイスキー」、町内飲食店向け限定「牡蠣の子守唄」発売。ロッテが蒸留所とのコラボレーションで日本のクラフト酒チョコレート「YOIYO 厚岸-芒種-」「YOIYO 厚岸-立冬-」発売。製麦棟竣工。富良野山部熟成庫(北海道富良野市)での試験熟成を開始。 |
2022(令和4) |
厚岸ブレンデッドウイスキー「大寒」発売。シングルモルト「清明」発売予定。 |
更新履歴: | 2021年9月1日/2021年9月17日/2021年11月14日 |
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