最終更新日: 2023年08月29日
KONOSU 鴻巣蒸溜所
JR高崎線の北鴻巣駅から直線距離で1km強。荒川の河川敷に面した、戦国時代に築城された小谷城の跡地に洋館風の瀟洒な建物と灰色の2棟の倉庫が並ぶ。運営は光酒造株式会社(福岡県の老舗焼酎蔵とは別法人)。イギリスに本社を置く精密化学メーカーのCEOを務めるエリック・チョア氏が開設した、海外資本の初のクラフトウイスキー蒸留所だ。
2020年2月から稼働を始め、現在の仕込みはワンバッチ麦芽1トン。麦芽はスコットランドをはじめ海外のモルトを使用し、酵母は数種類のイーストを海外から取り寄せているという。発酵槽はステンレス製が計6基。発酵槽と同じくフォーサイス社製のスチル2基は、初留がランタンヘッド型、再留がバルジ型で、それぞれの容量は5,500リットル、3,600リットルだ。樽詰の度数も63.5%とスコッチ風で、ファーストフィルのバーボン樽に詰めてダンネージ式の熟成庫で寝かせている。
シングルモルトの初リリースは2025年以降を予定。熟成にじっくりと時間をかけ、ボトリングを急ぐつもりはないという。今後はビジターセンターを敷地内に開設する青写真も描く。
所在地 | 埼玉県鴻巣市小谷625 |
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所有者(オーナー企業) | 光酒造〈マレーシア資本〉 |
創業年(会社設立年) | 2016年 |
ウイスキー蒸留開始年 | 2020年 |
仕込水 | 地下水/pH値 7.9 |
原料大麦(品種/産地/メーカー・タイプ) | ディスティリングモルト/スコットランド産が中心(シンプソン製)、マヌカ・スモークドモルト/ニュージーランド産(グラッドフィールド製)、その他 |
麦芽のフェノール値 | 0~75ppm |
モルティング | 無 |
モルトミル | ローラーミル(アランラドック製)×1基 |
ワンバッチ麦芽仕込量(マッシュレイシオ)/仕込回数 | 1トン/年約80~100回 |
年間生産能力(LPAまたはリットル[平均アルコール度数]) | 4万~6万リットル(63.5%) |
糖化槽(マッシュタン)・濾過器/数/容量(張込量) | ステンレス・セミロイタータン(フォーサイス製)×1基/5,000リットル/糖化1~3時間 |
麦汁量/麦汁糖度 | 約5,000リットル(約16度) |
イースト菌/添加量 | ディスティラーズ酵母(ピナクル製ドライイースト)一部にブリュワーズ酵母/3.0kg〜4.0kg |
発酵槽(ウォッシュバック)/数/容量(張込量)/発酵時間/モロミ度数 | ステンレス(フォーサイス製)×6基/5,000リットル/発酵約89時間 |
初留器タイプ/数/容量(張込量) | ランタン型(フォーサイス製)×1基/5,500リットル |
加熱方式:初留/時間 | スチーム/約8時間 |
冷却装置:初留 | シェル&チューブ |
再留器タイプ/数/容量(張込量) | バルジ型(フォーサイス製)×1基/3,600リットル |
加熱方式:再留/時間/ミドルカット(度数) | 約8時間/ミドルカット平均70% |
冷却装置:再留 | シェル&チューブ |
樽詰度数 | 62.0~63.5% |
ウェアハウス/貯蔵タイプ | ダンネージ式×1棟(4段)、ダンネージ式およびラック式×1棟/約2,000樽 |
ボトリング設備 | 無 |
ビジターセンター/見学 | 無(設置予定)/不可 |
製品 | ウイスキー |
特記事項 | 敷地面積約1万6,000平方メートル、標高約20m。ボトリング設備導入予定。 |
2016(平成28) | 光酒造設立、オーナーのエリック・チョア氏はマレーシアの実業家。 |
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2019(令和元) | 蒸留所の建築が完成。 |
2020(令和2) | ウイスキー製造免許取得し生産開始。蒸留所に本社を移転。 |
2021(令和3) | 新熟成庫(ダンネージ式およびラック式)を建設開始。 |
2022(令和4) | 第二熟成庫を完成。 |
2024(令和6) | ビジターセンターを開設(予定)。 |
2025(令和7) | シングルモルトを発売(予定)。 |
更新履歴: | 2021年9月17日/9月19日/2022年8月25日/9月13日/2023年8月29日 |
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