最終更新日: 2025年03月17日
NIKKO KAIDO OYAMA 日光街道 小山蒸溜所
1872年創業の西堀酒造は、日本酒「若盛」や「門外不出」を造る老舗蔵。その技術と伝統を活かし、“純国産”ウイスキー造りをスタートしたのが2022年のこと。率いるのは東大の哲学科卒という6代目の西堀哲也氏。栃木県小山市の旧日光街道沿いにある日光街道 小山蒸溜所では、清酒酵母を使った独特のウイスキー造りを行っている。
清酒酵母は、一般的にブドウ糖(グルコース)しか資化できず、麦汁の4割を占めるマルトース、麦芽糖は資化できない。資化とは、糖をアルコールと二酸化炭素に分解する作用のこと。つまり清酒酵母で麦汁を発酵させても、2%くらいのアルコールしか生成されない。
そこで西堀氏が考えたのが、日本酒でやる段仕込み。このアイデアにより、アルコール分8%くらいのモロミができるようになったという。
小山蒸溜所では、モルトウイスキーとグレーンウイスキー、さらにウォッカとジンを造っている。減圧できるオリジナルのステンレス蒸留器を導入しており、ヘッドの内側部分に特殊な銅板を張っている。
小山は日光山系の水が伏流水として地下に豊富に流れている場所。酒蔵の水も地下から汲み上げたもので、ウイスキーもこの日光山系の水で仕込んでいる。
所在地 | 栃⽊県小山市粟宮1452 |
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所有者(オーナー企業) | 西堀酒造 |
創業年(会社設立年) | 1872年 |
ウイスキー蒸留開始年 | 2022年 |
仕込水 | 日光山系の伏流水(中硬水) |
その他の原料穀物 | 米粉 |
モルティング設備 | 無 |
糖化槽・濾過器/数 | ステンレス(薮田産業製)×1基 |
イースト菌 | 清酒酵母 |
初留器タイプ/メーカー/数/容量(張込量) | ステンレス製蒸留器(常圧・減圧蒸留可能なハイブリッドタイプ、薮田産業製)×1基 |
冷却装置 | プレート式の熱交換器 |
ウェアハウス/貯蔵タイプ | ラック式(3段) |
ビジターセンター/見学 | 有(ショップ)/見学ツアー有 |
製品 | ウイスキー ジン その他スピリッツ |
1872(明治5) | 創業。近江の西堀家が呉服問屋佐野屋から酒蔵を買い取り酒造業を始める。 |
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1957(昭和32) | 会社法人化。清酒「若盛」銘柄を製造。 |
1989(平成元) | 清酒「門外不出」発売。以降、主要銘柄となる。 |
2008(平成20) | 「長屋門」「仕込蔵」「瓶詰場」「煙突」の建築物4件が国登録有形文化財として登録される。 |
2018(平成30) | 清酒の海外輸出を本格化。 |
2019(令和元) | 西伊豆の海で「門外不出」「愛米魅」海底熟成酒の取り組みを実施。 |
2020(令和2) | LED色光照射発酵酒の醸造を実践実施。 |
2021(令和3) | ジン、ウイスキー製造の計画を発表。経済産業省「事業再構築補助金」の採択を受ける。「ILLUMINA(イルミナ)」発売。 |
2022(令和4) |
旧精米所を改修した蒸留酒製造施設を竣工(延床約300㎡)。ウイスキー製造免許新規取得。「日光街道 小山蒸留所」の開設を発表。 日本酒酵母を使用してウォッカ製造を開始。8月初のウォッカ製品「夢日光ウオッカ NIKKO DREAM VODKA」発売。 ウイスキー製造開始。 |
2023(令和5) | ニューポット「GRAIN NEW POT 2023」販売のクラウドファンディングを実施。「MALT NEW POT 2023」を数量限定で発売。 |
2024(令和6) | 日光東照宮御神木の日光杉を使った日光杉和樽熟成ウイスキーの取り組みを開始。「日光東照宮献上ウイスキー」の樽詰め式を行う。 |
2025(令和7) |
原酒3年熟成を前にフィニッシュ樽調達の「樽(カスク)ファンディング」を実施。初のシングルモルトウイスキー「哲」などを発売(予定)。 |
TWSC受賞歴
<TWSC2024>
銅 賞 | 日光街道 小山蒸溜所 SINGLE GRAIN WHISKY NEW BORN 2023/日光街道 小山蒸溜所 SINGLE MALT WHISKY NEW BORN 2023 |
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更新履歴: | 2022年8月28日/2023年3月23日/2024年8月9日/2025年3月17日 |
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