最終更新日: 2021年12月27日
TAMBA 丹波蒸溜所
清酒「黄桜」や「辛口一献」「呑」などで知られる黄桜が、兵庫県丹波篠山市の山中にオープンさせたウイスキー蒸留所。黄桜は1925年に京都市伏見区で創業した清酒蔵で、カッパのイラストを使ったテレビCMがあまりにも有名だが、その伏見の蔵とは別に、大規模醸造蔵として1974年に建てたのが、兵庫県丹波篠山市の丹波工場である。2004年から工場敷地内で本格焼酎(単式蒸留焼酎)を造っていたが、2018年からはそのステンレス蒸留器を使い、ウイスキー造りを開始。当初は蒸留器の中に銅のパネルを設置し、それで蒸留を行っていたが、本格ジャパニーズウイスキー製造を目指し、2021年10月にフォーサイス社製の銅製スチル2基を新たに導入。本格ウイスキー造りに着手した。
現在の仕込みはワンバッチ麦芽1.5トン。ノンピート、ピーテッドの両方の麦芽を使っているが、糖化までは伏見のクラフトビール工場内で行っている。三宅製作所の最新鋭のマッシュタン(ビールと兼用)と、仕込水は伏見の水にこだわり、一度の糖化で8000リットルの麦汁を得る。これを車で1時間半ほどの距離にある丹波工場(丹波蒸溜所)まで運び、そこで発酵・蒸留・樽詰め・熟成を行っている。発酵タンクはホーロー製で2基しかないが、日本酒メーカーらしく清酒酵母やビール酵母の培養タンクがあり、多彩な酵母での仕込みにチャレンジしている。現在は2週に一度くらいの仕込みだが、軌道に乗れば年間3万リットルほどの生産を目指す。ウェアハウスも現在1棟あり、500樽くらいの貯蔵が可能だ。
所在地 | 兵庫県丹波篠山市今田町本荘堂ヶ谷1-19 |
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オーナー | 黄桜 |
創業年 | 1925年 |
生産開始年 | 2018年 |
仕込水 | 伏見の水 |
年間生産能力 | 3万リットル(目標) |
麦芽仕込量(ワンバッチ) | 1.5トン |
モルティング | 無 |
麦芽のフェノール値 | ノンピート、ピーテッド |
マッシュタン | (三宅製作所製)×1基 |
麦汁量 | 8,000リットル |
イースト菌/量 | ウイスキー酵母、清酒酵母、ビール酵母など |
ウォッシュバック/数/容量(張込量) | ホーロー製×2基 |
初留器タイプ/数/容量(張込量) | ストレート型(フォーサイス製)×1基/2,500リットル(2,000リットル)、別にステンレス製のポットスチル×1基(ウイスキー、焼酎、ジン兼用) |
再留器タイプ/数/容量(張込量) | バルジ型(フォーサイス製)×1基/2,000リットル |
加熱方式:初留/再留 | スチーム |
冷却装置:初留/再留 | シェル&チューブ |
ウェアハウス/貯蔵 | ダンネージ式×1棟 |
ボトリング設備 | 有 |
ビジターセンター/見学 | 無 |
製品 | ウイスキー ジン |
特記事項 | 京都伏見のビール工場より麦汁を運び仕込みを行う。丹波工場(蒸留所)の標高は約300ⅿ。 |
1925(大正14) | 松本冶六郎、京都府伏見区新町で酒造業で創業。銘酒「黄桜」の礎を築く。 |
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1951(昭和26) | 松本治六郎商店として会社を設立。 |
1955(昭和30) | キャラクターにカッパを起用。 |
1957(昭和32) | テレビCMを開始。 |
1964(昭和39) | 社名を黄桜酒造に改める。 |
1966(昭和41) | 「金印黄桜」を発売。 |
1974(昭和49) | 丹波工場を竣工。四季醸造により醸造能力が飛躍的に増加。 |
1995(平成7) | 京都のクラフトビールとして地ビール事業に参入。 |
2004(平成16) | ステンレスのポットスチル1基で本格焼酎の製造を開始。 |
2006(平成18) | 黄桜株式会社に社名変更。 |
2018(平成30) | ウイスキー製造免許取得。製造を開始。 |
2021(令和3) | 黄桜クラフトジン「花物語」を発売。フォーサイス社の蒸留器2基を設置し、本格的にウイスキー生産を開始。 |
2022(令和4) | 黄桜シングルモルトウイスキー「丹波」、黄桜ブレンデッドモルトウイスキー「Sakura Chronos サクラクロノス」発売。 |
更新履歴: | 2021年12月27日 |
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