最終更新日: 2024年09月04日
AKKESHI 厚岸蒸溜所
牡蛎の名産地として知られる北海道東部の厚岸町に、食品原材料の輸入商社を営んでいた樋田恵一氏が創業。2013年より試験熟成を行い、16年に蒸留開始。立ち上げの段階からスコットランドのフォーサイス社が全面的に携わり、同社の技術者が数ヵ月間滞在してノウハウを注ぎ込んだという。蒸留所は厚岸湾から2キロほど入った湿地帯にあり、夏は涼しく海霧が立ち込めることもしばしば。冬の積雪は道内では少ないほうで、アイラ島のウイスキー造りを手本とする同社にとってはまさに理想的な環境といえる。
仕込みはワンバッチ麦芽1トン。ポットスチル2基はいずれもストレートヘッドのオニオンシェイプで、ステンレス製の発酵槽6基を備える。糖化槽はセミロイター式。熟成庫はダンネージ式とラック式がそれぞれ2棟ずつ(現在第5熟成庫を建設中)。仕込水は蒸留所のそばを流れる尾幌川のピートを含んだ軟水を使用する。麦芽はスコットランド産のものに加え、地元厚岸産の二条大麦「りょうふう」を使うなど、テロワールを意識した “厚岸オールスター”のウイスキー造りを目指している。
2020年には蒸留所初のシングルモルト「SARORUNKAMUY」をリリース。これは200mlのボトルだったが、同年秋からフルボトルのシングルモルト、ブレンデッドを発売。第1弾の「寒露」を皮切りに、日本の四季を題材にした「二十四節気シリーズ」を続々と展開中。また、2022年からは自社モルティングの試運転を始めている。
所在地 | 北海道厚岸郡厚岸町宮園4丁目109-2 |
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所有者(オーナー企業) | 堅展実業 |
創業年(会社設立年) | 1964年 |
ウイスキー蒸留開始年 | 2016年 |
仕込水 | ホマカイ川・尾幌川上流(硬度50) |
原料大麦(品種/産地/メーカー・タイプ) | ロリエッㇳ/英国産/クリスプ製、りょうふう/北海道産、厚岸産 |
麦芽のフェノール値 | ノンピートおよびヘビリーピーテッド(50ppm)、ノンピート、ライトピーテッド |
モルティング | 有 |
モルトミル | ローラーミル(英国、アランラドック製)×1基 |
ワンバッチ麦芽仕込量(マッシュレイシオ)/仕込回数 | 1トン |
年間生産能力(LPAまたはリットル[平均アルコール度数]) | 17万リットル |
糖化槽(マッシュタン)・濾過器/数/容量(張込量) | ステンレス・セミロイタータン(フォーサイス製)×1基 |
麦汁量/麦汁糖度 | 5,000リットル |
イースト菌/添加量 | マウリ製ドライイースト、厚岸ラズベリーイースト |
発酵槽(ウォッシュバック)/数/容量(張込量)/発酵時間/モロミ度数 | ステンレス製(フォーサイス製)×6基/5,000リットル/発酵約5日間 |
初留器タイプ/数/容量(張込量) | ストレート型(フォーサイス製)×1基/5,000リットル/初留約6時間 |
加熱方式:初留/時間 | ラジエーター |
冷却装置:初留 | シェル&チューブ |
再留器タイプ/数/容量(張込量) | ストレート型(フォーサイス製)×1基/3,600リットル |
加熱方式:再留/時間/ミドルカット(度数) | ラジエーター/再留約7時間 |
冷却装置:再留 | シェル&チューブ |
樽詰度数 | 63.5% |
ウェアハウス/貯蔵タイプ | ダンネージ式(4段)×2棟、ラック式×2棟/約3,300樽 |
ボトリング設備 | 有 |
ビジターセンター/見学 | 無/原則不可、「厚岸味覚ターミナルコンキリエ」主催見学ツアー有(要予約3,000円) |
製品 | ウイスキー |
特記事項 | 敷地面積8,327平方メートル。HACCPに基づく食品衛生管理体制を目指す。2021年秋からドラム式モルティング設備を導入、2022年より運転開始。 |
1964(昭和39) | 堅展実業、東京都千代田区に設立。食品原材料、酒類の輸出入を取り扱う。 |
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2013(平成25) | ウイスキーの試験熟成開始。 |
2014(平成26) | 北海道厚岸町との事業協定締結、蒸留所創業年。 |
2015(平成27) | 厚岸蒸溜所の建設を開始。 |
2016(平成28) | ウイスキー製造免許を取得、厚岸蒸溜所開設。蒸留開始。 |
2017(平成29) | 第2熟成庫を建設。地元大麦の委託栽培を開始。 |
2018(平成30) | 「厚岸ニューボーン・ファンデーションズ」(1および2)発売。第3熟成庫を建設。 |
2019(平成31/令和元) | 「厚岸ニューボーン・ファンデーションズ」(3および4)発売。 |
2020(令和2) | 厚岸ウイスキー「サロルンカムイ」、二十四節気シリーズ第1弾シングルモルト「厚岸シングルモルトウイスキー寒露」発売。第4熟成庫を建設。充填棟を竣工。 |
2021(令和3) | 「厚岸ブレンデッドウイスキー雨水」「同 処暑」、「厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー芒種」、「同 立冬」、北海道限定および厚岸町民向け限定「厚岸ブレンデッドウイスキー」、町内飲食店向け限定「牡蠣の子守唄」発売。ロッテが蒸留所とのコラボレーションで日本のクラフト酒チョコレート「YOIYO 厚岸-芒種-」「YOIYO 厚岸-立冬-」発売。製麦棟竣工。富良野山部熟成庫(北海道富良野市)での試験熟成を開始。 |
2022(令和4) | 「厚岸ブレンデッドウイスキー大寒」、「同 大暑」、「厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー清明」、「同 大雪」発売。自社モルティング設備の試運転開始。第5熟成庫を建設。8月蒸留所スペシャルバージョン (厚岸と海外モルトのヴァッテッドモルト)「厚岸カムイウイスキー カムイチカプ」(kamuycikap)、「鹿の通り道」発売。 |
2023(令和5) | 「厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー 啓蟄」、「同 白露」、「厚岸 カムイチカプ for ウイスキーラバーズ名古屋 2023」発売。「厚岸ブレンデッドウイスキー小満」、「同 小雪」、「同 カムイウイスキー レプンカムイ」、「厚岸 5年 シングルカスクヘビリーピーテッド for BAR fishborn」発売。 |
2024(令和6) | 「厚岸 ヴァッテッドモルトウイスキー for ウイスキーラバーズ名古屋2024フェス」、「厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー立春」、「同 for HOKKAIDO WHISKY & SPIRITS FEST 2024」、「同 小暑」、「同 カムイウイスキー® カムイチェップ」、「厚岸ブレンデッドウイスキー穀雨」発売。 |
東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)受賞歴
<TWSC2022「厚岸蒸溜所」ベスト・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー2022>
<TWSC2024>
金 賞 | 厚岸シングルモルト/厚岸シングルモルト大雪/厚岸ヴァッテッドモルトウイスキー カムイチカプ/厚岸ブレンデッドウイスキー カムイウイスキー レプンカムイ |
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銀 賞 | 厚岸ブレンデッドウイスキー 小満 |
更新履歴: | 2021年9月1日/9月17日/11月14日/2022年6月6日/6月28日/10月22日/2023年4月18日/8月25日/2024年7月19日/8月9日/9月4日 |
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