最終更新日: 2025年03月17日
FUGAKU 富嶽蒸溜所
富士山に降った雨は、その麓で無数の湧水地をつくる。北麓には富士五湖が点在し、多くの取水工場が建ち並ぶが、その一角にあるのが富嶽蒸溜所だ。創業者は笹川正平氏。もともと大阪で日本酒蔵を営んでいた家系だという。テレビ局でプロデューサーとして活躍していたが、ウイスキー好きが高じてスコットランドの蒸留所を巡り、蒸留所の設立に向けて準備を進めてきた。
蒸留所建設にあたっては水にこだわり、もともと採水工場があった土地を選んだ。仕込み水は、深さ180メートルの井戸で汲む富士の伏流水。ワンバッチは麦芽1トン。設備はダグラスファーの発酵槽6基を除き、すべて三宅製作所製だ。
初留釡はガスの直火焚きで、容量は5,000リットル。スチル本体と下部のガスバーナーの部分まで一体でつくられている。このタイプは三宅製作所でも富嶽が初ではないかという。
麦芽粉砕機とディストナーなどの処理機はドイツのキュンツェル社製。マッシュタン、発酵槽、スチルはガラス張りの建物のフロアに並んでいる。これは将来的に見学客のことを考え、あえてフラットに配置しているのだという。
所在地 | 山梨県富士吉田市上吉田4918-1 |
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所有者(オーナー企業) | SASAKAWA WHISKY |
創業年(会社設立年) | 2021年 |
ウイスキー蒸留開始年 | 2023年 |
仕込水 | 富士山の伏流水 |
モルティング設備 | 無 |
モルトミル | キュンツェル製×1基 |
ワンバッチ麦芽仕込量/仕込回数 | 1トン |
糖化槽・濾過器/数 | 三宅製作所製×1基 |
麦汁量 | 約5,400リットル |
イースト菌 | ドライ酵母 |
発酵槽/数/容量(張込量)/発酵時間 | ダグラスファー製×6基/7,400リットル |
初留器タイプ/メーカー/数/容量(張込量) | ストレートヘッド型(三宅製作所製)×1基/5,000リットル |
加熱方式 | ガス直火式 |
冷却装置 | シェル&チューブ |
再留器タイプ/メーカー/数/容量(張込量) | ストレートヘッド型(三宅製作所製)×1基/3,000リットル |
加熱方式/ミドルカット | スチーム加熱式 |
冷却装置 | シェル&チューブ |
樽詰度数 | 63.5% |
ウェアハウス/貯蔵タイプ | ダンネージ式、移動ラック式 |
ビジターセンター/見学 | 無 |
製品 | ウイスキー |
2021(令和3) | 会社設立。ウイスキー蒸留所建設を着工。発注したポットスチル2基は直火焚きを予定。 |
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2022(令和4) |
10月、蒸留所竣工予定。 |
更新履歴: | 2021年10月11日/2023年8月29日/2025年3月17日 |
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