最終更新日: 2025年03月17日
GAKKOGAWA 月光川蒸留所
山形県北部の遊佐町にある月光川蒸留所。創業した楯の川酒造は、「楯野川」をはじめとする純米大吟醸酒で知られる老舗の日本酒蔵で、190年以上の歴史がある。現在は日本酒のほか、焼酎、リキュール、サワーなども造る。6代目蔵元で社長の佐藤淳平さんは、「日本酒を中心とした総合酒類メーカー、LVMH(ルイヴィトン・モエヘネシー)のような、アライアンス企業にしたい」と語る。
蒸留所が建つのは、日本海沿岸の吹浦地区。車で10分ほどの距離には遊佐蒸溜所がある。蒸留所名の由来にもなった月光川がすぐ横を流れている。仕込水は鳥海山月光川水系の伏流水。仕込みはワンバッチ麦芽500㎏、麦芽は主に英国ポールズモルト社のノンピート麦芽を使用している。
麦芽粉砕機はキュンツェル社、マッシュタンは三宅製作所製。発酵槽は新洋技研工業のサーマルタンク。日本酒造りで使用してきたもので、0.1℃単位で温度調整ができるといい、5基が稼働する。一度の糖化で得られる麦汁は2,700リットルで、これを発酵槽1基に投入。酵母はファーメンティス社のドライイーストを使用しているが、酵母培養タンクも完備し、いくつかの酵母も試している。
ポットスチルは初留・再留1基ずつで、いずれも三宅製作所製。熟成はバーボン樽をメインに使用。ウェアハウスはダンネージ式とラック式で、現在は1棟だが、今後増設予定。
2024年3月には「月光川 ニューポット 2024エディション」を発売。2025年1月から蒸留所見学ツアーを行っている。
所在地 | 山形県飽海郡遊佐町菅里字菅野37番地14 |
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所有者(オーナー企業) | 月光川蒸留所 |
創業年(会社設立年) | 2021年 |
ウイスキー蒸留開始年 | 2023年 |
仕込水 | 月光川水系の伏流水(軟水) |
原料大麦(品種/産地/メーカー・タイプ) | ロリエット/英国産/ポールズモルト製 |
麦芽のフェノール値 | ノンピート |
モルティング設備 | 無 |
モルトミル | キュンツェル製 |
ワンバッチ麦芽仕込量/仕込回数 | 500㎏ |
糖化槽・濾過器/数 | 三宅製作所製×1基 |
麦汁量 | 2,700リットル |
イースト菌 | M1酵母にエール酵母のW68の組み合わせ、ドライイースト(ファーメンティス社など) |
発酵槽/数/容量(張込量)/発酵時間 | サーマルタンク(新洋技研工業製)×5基/(2,700リットル) |
初留器タイプ/メーカー/数/容量(張込量) | ランタン型(三宅製作所製)×1基/(2,400リットル) |
冷却装置 | シェル&チューブ |
再留器タイプ/メーカー/数/容量(張込量) | ランタン型(三宅製作所製)×1基/(1,200リットル) |
加熱方式/ミドルカット | 73%~69% |
冷却装置 | シェル&チューブ |
樽詰度数 | 60.5% |
ウェアハウス/貯蔵タイプ | ダンネージ式、ラック式×1棟 |
ビジターセンター/見学 | 無/見学ツアー有(月曜と金曜1回ずつ。見学者限定ギフトあり) |
製品 | ウイスキー |
1832(天保3) | 酒母製造業で創業。 |
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1854(安政元) | 蔵元となり日本酒製造を開始。 |
1855(安政2) | 日本酒の銘柄を「楯野川」とする。 |
1962(昭和37) | 会社法人設立。 |
2010(平成22) | 同酒造年度から山形県初の全量純米大吟醸の蔵元となる。 |
2012(平成24) | 鶴岡市「奥羽自慢」の佐藤仁左衛門酒造場の日本酒造り再開に協力。 |
2014(平成26) | 佐藤仁左衛門酒造場の酒造事業を引き継ぐ。 |
2017(平成29) | 精米歩合1%を実現した「楯野川 純米大吟醸 光明」を発売。奥羽自慢の新ブランド「吾有事」を発売。 |
2019(令和元) | 山田錦による「光明」を発売。 |
2021(令和3) | ウイスキー蒸留所建設と事業進出の計画を発表。建設予定地の造成を開始。月光川蒸留所株式会社が創業。 |
2022(令和4) | 蒸留棟建築を開始。月光川蒸留所の設立年となる。 |
2023(令和5) | 蒸留所完成。第1貯蔵棟の建設を開始。ポットスチル2器導入、試運転開始、ウイスキー免許を取得、製造を開始する。蒸留所オープン、ウイスキー蒸留開始。 |
2024(令和6) | 初製品「月光川ウイスキーニューポット 2024 Edition」発売。 |
2027(令和8) | ウイスキー発売(予定)。 |
更新履歴: | 2024年11月18日/2025年3月17日 |
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