最終更新日: 2025年03月17日
HEKINAN 碧南蒸留所
酒どころとして栄えてきた愛知県南部の碧南地方は、本みりんの名産地としても知られる。同地でみりん製造を行ってきた相生味淋と、焼酎製造の愛知酒精工業、清酒製造の相生酒造という3社が合併し、2004年10月に誕生したのが相生ユニビオである。
愛知酒精工業は1949年にウイスキー免許を取得していたが、およそ70年の間、自社での生産は行っていなかった。相生ユニビオとなり、碧南蒸留所での自社蒸留を再開したのは2019年のこと。
碧南蒸留所のワンバッチは麦芽325kg。1日2回、計650kgの麦芽を仕込む。マッシュタンはステンレスタンクで、メッシュの布を使って麦汁を濾し取る。麦汁量は2回で約2,700~2,800リットル。発酵槽は温度調整が可能な清酒用のタンク1基を使っている。
ここでのウイスキー造りは清酒の仕込みが終わってからなので、年間52仕込みくらいが限度だという。生産量は約6,000リットル(100%アルコール換算)。
焼酎用のステンレス製蒸留器1基が稼働しており、これで初留も再留も行っている。ヘッドの下部に無数の小さな穴が開いた銅板が設置されていて、アルコール蒸気はその銅板を通る仕組みになっている。ニューポットのアルコール度数は58%くらいで、54%に加水して樽詰めしている。
所在地 | 愛知県碧南市弥生町4-3 |
---|---|
所有者(オーナー企業) | 相生ユニビオ |
創業年(会社設立年) | 1872年 |
ウイスキー蒸留開始年 | 1949年(2019年再開) |
モルティング設備 | 無 |
ワンバッチ麦芽仕込量/仕込回数 | 325㎏/2回 |
年間生産能力(LPAまたはリットル[平均アルコール度数]) | 6,000リットル(LPA) |
糖化槽・濾過器/数 | ステンレスタンク×1基 |
麦汁量 | 2回で2,700~2,800リットル |
発酵槽/数/容量(張込量)/発酵時間 | 清酒用タンク×1基 |
初留器タイプ/メーカー/数/容量(張込量) | 焼酎用ステンレス製蒸留器 |
樽詰度数 | 54% |
ウェアハウス/貯蔵タイプ | ラック式 |
ボトリング設備 | 有 |
製品 | ウイスキー その他スピリッツ |
1872(明治5) | 創業年。愛知県碧南市で古久根勇蔵が「相生みりん」、村松文司が本みりん「初生桜」を製造開始。 |
---|---|
1941(昭和16) | 酒精・焼酎の免許を取得し、三河合同焼酎㈱が設立。 |
1945(昭和20) | 愛知酒精工業株式会社に改称。中国上海市に上海工場を設立。 |
1949(昭和24) | ウイスキー事業を開始。 |
1953(昭和28) | Tess台風により200本程度貯蔵していた200リットル樽が被害を受ける。 |
1954(昭和29) | 古久根、清酒製造業を開始。 |
1956(昭和31) | 村松、清酒製造業を開始。 |
1959(昭和34) | Vera 台風と伊勢湾台風、2回の台風被害により蒸留作業を停止。ウイスキー事業としては輸入バルクのボトリングで継続。相生味淋株式会社及び相生酒造株式会社が設立。 |
1966(昭和41) | 本社および工場を愛知県西尾市下町に移転。 |
1977(昭和52) | 東京営業所設置。 |
1985(昭和60) | サケ風呂用「温泉家族」発売。ワイン製造免許取得、発売。 |
1989(平成元) | 相生発酵を設立し、薬事部門を分離、独立する。 |
2004(平成16) | みりん製造の相生味淋、焼酎製造の愛知酒精工業、清酒製造の相生酒造、3社が3社が合併し相生ユニビオを設立。 |
2006(平成18) | 相生発酵より製造部門を譲受。 |
2019(平成31) | ウイスキーの自社蒸留を再開、焼酎用ステンレス製ポットスチルでモルトウイスキーの自社蒸留を復活。フランス・欧州向けに5年物のブレンデッド「火之鳥」を輸出。 |
2022(令和4) | 創業150周年記念のシングルカスク「一碧」をふるさと納税返礼品として発表。のちに単独商品「一碧【Cask No.69】として発売。 |
2024(令和6) | シングルカスク「一碧 【Cask No.70】」限定発売。シングルモルト「一碧 First Edition」発売。 |
更新履歴: | 2022年3月1日/8月28日/11月22日/2024年4月6日/9月17日/2025年3月17日 |
---|
※当サイト内すべてのコンテンツの著作権は、ウイスキー文化研究所に帰属します。無断使用および転載は固くお断りいたします。