最終更新日: 2025年03月24日
HINOKAMI 火の神蒸溜所
薩摩半島の南端、枕崎市にある火の神蒸溜所。火の神とは『古事記』に登場する山幸彦のことで、その山幸彦が降り立った場所が枕崎市の火の神地区とされる。
焼酎造りで知られる薩摩酒造が、火の神蒸溜所の一角にウイスキーの蒸留所を建てたのは2022年のこと。本格ウイスキー造りを目指し、生産設備やプランニングはすべて三宅製作所に依頼。ポットスチルは初留1基、再留1基で、どちらも背の高いランタンヘッド型だ。
さらにグレーン用の巨大な連続式蒸留機が2023年末から稼働しており、本格的なブレンデッドウイスキー造りを目指す。
仕込水は火の神地区周辺から採水した硬度80程度の地下水を使用。薩摩酒造は焼酎メーカーとしては唯一クーパレッジを併設しているが、それは同社の長期貯蔵麦焼酎「神の河」のオーク樽熟成のために作られたもの。今後はクーパレッジも巨大なラック式の熟成庫も、ウイスキー造りに活用されていくという。
所在地 | 鹿児島県枕崎市火之神北町388 |
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所有者(オーナー企業) | 薩摩酒造 |
創業年(会社設立年) | 1936年 |
ウイスキー蒸留開始年 | 2023年 |
仕込水 | 地下から汲み上げた裂罅(れっか)水(高度約80) |
原料大麦(品種/産地/メーカー・タイプ) | 主にノンピート(年間の20~25%はピート麦芽)を使用 |
ワンバッチ麦芽仕込量/仕込回数 | 1.1トン |
糖化槽・濾過器/数 | 三宅製作所製×1基 |
麦汁量 | 5,500リットル |
イースト菌 | エール酵母とディスティラリー酵母を併用 |
発酵槽/数/容量(張込量)/発酵時間 | ステンレス製(三宅製作所製)×5基 |
初留器タイプ/メーカー/数/容量(張込量) | ランタン型(三宅製作所製)×1基/5,500リットル |
冷却装置 | シェル&チューブ |
再留器タイプ/メーカー/数/容量(張込量) | ランタン型(三宅製作所製)×1基 |
加熱方式/ミドルカット | 74%~60%(ノンピート)、74%~59%(ピート) |
冷却装置 | シェル&チューブ |
その他の蒸留器(ウイスキー・その他/タイプ/数) | 1塔式連続式蒸留機(グレーンウイスキー)×1基 |
ビジターセンター/見学 | 無 |
製品 | ウイスキー その他スピリッツ |
1936(昭和11) | 薩摩合同酒精設立。 |
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1949(昭和24) | 薩摩酒造株式会社に名称変更。 |
2019(令和元) | スピリッツ製造免許取得。 |
2021(令和3) | ウイスキー試験免許取得。 |
2022(令和4) | ウイスキー製造免許取得。 |
2023(令和5) | モルトウイスキー製造を開始。蒸留所の竣工式を挙行。連続式蒸留機を導入してグレーンウイスキー製造を開始。 |
2026(令和8) | ファーストとなるシングルモルト「火の神」発売(予定)。 |
更新履歴: | 2025年03月24日 |
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