最終更新日: 2021年10月25日
KAIKYO 海峡蒸溜所
名前のとおり、淡路島と四国を結ぶ明石海峡大橋のたもとに位置する蒸留所。運営会社の明石酒類醸造は清酒「明石鯛」の蔵元で知られるが、近年は海外に大きく販路を伸ばし、イギリスの高級レストランなどでは「明石鯛」が必ずと言っていいほど置かれているという。その明石酒類がウイスキー造りに乗り出したのは2017年。開設にあたってオランダのモスバーン社から資金援助を受け、フォーサイス社製のポットスチル1基を導入した。
仕込みはワンバッチ麦芽700㎏。当初はスチル1基のみで初留と再留を行っていたが、現在は2基に増設。それに伴って蒸留棟、ビジターセンターも新しくした。ウォッシュバックは3基を備える。実は、海峡蒸溜所は出資先のモスバーンがスカイ島に開設したトラベイグも所有していることから、トラベイグとは姉妹蒸留所の関係にあたる。こうしたことから、社長の米澤仁雄氏もトラベイグで研修を受けた経験を持つという。現在は、地元明石に現存する旧灯台にちなんだ「波門崎」のブランド名で海外向けにウイスキーを販売するほか、クラフトジン「東経135度線」もリリースしている。
所在地 | 兵庫県明石市大蔵八幡町1-3 |
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オーナー | 明石酒類醸造 |
創業年 | 1856年 |
生産開始年 | 2017年 |
仕込水 | - |
年間生産能力 | 約7万リットル |
麦芽仕込量(ワンバッチ) | 700kg |
モルティング | 無 |
麦芽のフェノール値 | 0ppm |
モルトミル | 無 |
マッシュタン | ステンレス・セミロイタータン(フォーサイス製) |
麦汁量 | 3,500リットル |
イースト菌/量 | ディスティラーズ酵母 |
ウォッシュバック/数/容量(張込量) | 3基/約4,000リットル |
初留器タイプ/数/容量(張込量) | バルジ型(フォーサイス製)×1基 |
再留器タイプ/数/容量(張込量) | バルジ型(フォーサイス製)×1基 |
加熱方式:初留/再留 | スチーム |
冷却装置:初留/再留 | シェル&チューブ |
樽詰度数 | 63% |
ウェアハウス/貯蔵 | ダンネージ式 |
ボトリング設備 | 有 |
ビジターセンター/見学 | 無/酒蔵可 |
製品 | ウイスキー ジン |
特記事項 | 英国キュナード社が所有するクルーズ船や高級レストランに清酒「明石鯛」を納品しており、「QUEEN ELIZABETH AKASHI-TAI・純米吟醸明石鯛」はクイーンエリザベス号でのみ飲める。ウイスキーはシンプソンズ製麦芽をグリストの状態で輸入。海外向けに「波門崎」ブランドで製造、輸出を行っており、国内での流通はほとんどない。蒸留所は現在見学不可だが、日本酒酒蔵見学は可能。直販の酒笑本店を臨時運営中。 |
1856(安政3) | 創業。醤油蔵での製造・両替を開始。 |
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1918(大正7) | 明石酒類醸造設立。焼酎・みりんの製造販売を開始。 |
1941(昭和16) | 合成酒の製造販売を開始。 |
1945(昭和20) | 明石醗酵工業(株)に社名変更。空襲で工場全焼、翌年再建。 |
1955(昭和30) | アルコール・清酒の製造販売を開始。 |
1984(昭和59) | リキュールの製造販売を開始。 |
1995(平成7) | 阪神淡路大震災で事務所が全壊、日本酒蔵の麹室などが倒壊。 |
1996(平成8) | 「明石鯛」吟醸酒シリーズの製造販売を開始。 |
1998(平成10) | ブライダル商品の企画販売事業を開始。 |
2000(平成12) | 豪華客船クイーンエリザベス号の船内で日本酒として唯一「明石鯛」が提供される。 |
2002(平成14) | (有)明石醗酵食品を設立。発酵食品、地元名産の食品などの商品開発、製造販売を開始。 |
2006(平成18) | 明石酒類醸造(株)に社名を戻す。バラのリキュール「Princess of Rose」発売。 |
2009(平成21) | 明石市大蔵八幡町に移転。「酒笑本館(しゅまいるほんかん)」を開設。 |
2012(平成24) | 「酒笑本館」を閉館。その後も臨時で直売所として使用。 |
2017(平成29) | ウイスキー及びスピリッツ製造免許取得、ウイスキー蒸留開始。 |
2018(平成30) | 海外輸出向けウイスキー「波門崎」(ブレンデッド、ピュアモルト)を製造販売。 |
2019(平成31) | 2基目のポットスチル、マッシュタンを導入。 |
2021(令和3) | 兵庫ドライジン「東経135度線」発売。 |
更新履歴: | 2021年9月10日/2021年9月16日/2021年10月25日 |
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