最終更新日: 2024年08月09日
SAKURAO SAKURAO DISTILLERY
SAKURAO DISTILLERYの開設は2017年。広島県廿日市市の瀬戸内を望む海辺に建ち、対岸には世界遺産に登録された厳島神社の大鳥居が神秘的な姿を覗かせる。運営する中国醸造の前身がこの地に創業したのは1918年のこと。以来、日本酒「一代・弥山」やダルマ焼酎シリーズ等で日々の晩酌に親しまれてきた。そんな同社が新たなチャレンジとして位置付けているのがウイスキーとジンの製造で、2021年3月には社名を「サクラオブルワリーアンドディスティラリー(サクラオB&D)」に変更。7月に初のシングルモルト「桜尾」と「戸河内」をリリースした。
ワンバッチの仕込みは麦芽1トン。開設当初はドイツのホルスタイン社製ハイブリッドスチル1基でウイスキーとジンの両方を造っていたが、その後スチルを増設し、現在は2基で初留・再留を行っている。糖化槽と発酵槽はハンガリーのバーバリアン製だ。また桜尾では、2019年よりグレーンウイスキーの製造にも着手している。使っているのはステンレス製スチルに銅製コラム塔を取り付けたハイブリッド蒸留器で、これは焼酎造りの技術を活かしたSAKURAO独自のもの。自社製造のブレンデッドは最短で2023年内にリリースできる見込みという。
熟成庫は蒸留所内の桜尾と、安芸太田町にある国鉄時代の廃線トンネルを利用した戸河内の2ヵ所を所有。初リリースとなった「桜尾」と「戸河内」は、沿岸部と山間部、それぞれの場所で熟成した原酒をボトリングして話題となった。地元広島産のボタニカルを使ったジンも含め、今後のリリースが注目される。
所在地 | 広島県廿日市市桜尾1-12-1 |
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所有者(オーナー企業) | サクラオブルワリーアンドディスティラリー |
創業年(会社設立年) | 1918年(中国酒類醸造) |
ウイスキー蒸留開始年 | 2017年(1920年ウイスキー免許取得) |
仕込水 | 小瀬川水系の天然水 |
麦芽のフェノール値 | ノンピート、ヘビリーピート(50ppm) |
モルティング設備 | 無 |
モルトミル | 4本ローラーミル(スイス、ビューラー製)×1基、ほかにグレーンウイスキー製造用ハンマーミル(国産)×1基 |
ワンバッチ麦芽仕込量/仕込回数 | 1トン |
年間生産能力(LPAまたはリットル[平均アルコール度数]) | - |
糖化槽・濾過器/数 | ステンレス・セミロイタータン(ハンガリー、バーバリアン製)×1基、グレーンウイスキー用クッカー×1基 |
麦汁量 | 4,000~4,500リットル |
イースト菌 | ディスティラーズ酵母 |
発酵槽/数/容量(張込量)/発酵時間 | ステンレス(ハンガリー、バーバリアン製3基、及び国産3基)×6基/約5,700リットル/発酵約64時間/モロミ度数8~9%、 グレーンウイスキー用×12基/発酵約96時間 |
初留器タイプ/メーカー/数/容量(張込量) | ランタン型(ドイツ、ホルスタイン製)×1基/5,500リットル、グレーンウイスキー用ステンレス蒸留器(国産、減圧可)×1基 |
加熱方式 | スチームジャケット |
冷却装置 | 冷却塔 |
再留器タイプ/メーカー/数/容量(張込量) | ランタン型(ホルスタイン製)×1基/1,500リットル+コラムスチル(6棚段)のハイブリッドタイプ×1セット、グレーンウイスキー用ステンレス焼酎蒸留器(薮田産業製)と銅製コラムスチル(サクラオ自社製6棚段)のハイブリッドタイプ×1セット |
加熱方式/ミドルカット | スチームジャケット |
冷却装置 | 冷却塔 |
その他の蒸留器(ウイスキー・その他/タイプ/数) | グレーンウイスキー/ステンレス焼酎蒸留器(薮田産業製)+銅製コラムスチル(サクラオ自社製6棚段)のハイブリッドタイプ×1セット |
樽詰度数 | 59~65% |
ウェアハウス/貯蔵タイプ | 桜尾貯蔵庫 ダンネージ式・(グレーンウイスキー用)パラタイズ式併用、戸河内貯蔵庫(安芸太田町:三段峡貯蔵庫)ダンネージ式(3段)/約4,500樽 |
ボトリング設備 | 有 |
ビジターセンター/見学 | 有/可(要予約)/見学ツアー1日4回開催 2,000円 |
製品 | ウイスキー ジン その他スピリッツ |
特記事項 | 2021年3月中国醸造から社名変更。通常のポットスチル2回蒸留以外に、ポットスチルとコラムスチル双方を使った3回蒸留タイプのウイスキー原酒造りも行っている。また国産大麦9割、輸入麦芽1割を原料としてハンマーミルで粉砕し、焼酎用ステンレス・ポットスチルをグレーン用に改造した蒸留器でバッチ蒸留(減圧での初留、常圧での再留、銅製コラム塔での精留)を行い、グレーンウイスキーを製造を始めている(グレーンニューメイクのアルコール度数は約83%)。ジンの生産は有名であるが、ほかにウォッカも製造。また構内には旧蒸留釜も展示されている。 |
1918(大正7) | 地元清酒メーカーの共同出資で中国酒類醸造が設立。焼酎を製造。 |
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1920(大正9) | ウイスキー製造免許取得。 |
1938(昭和13) | 株式会社に改組。 |
1963(昭和38) | 清酒醸造に着手、焼酎、リキュール、みりん、ウイスキーなど酒類の総合製造企業となる。 |
1980年代 | 主な製品として「戸河内」「グローリーエキストラ(V.O.)」、モルトグレーンウイスキー「達磨」など。 |
1989(平成元) | ウイスキー製造を休止。 |
2003(平成15) | 「戸河内」発売。 |
2004(平成16) | 単式蒸留器を増設(焼酎、スピリッツ用)。 |
2008(平成20) | 戸河内の貯蔵庫の原酒と輸入原酒をブレンドした「戸河内」ウイスキーの一般販売を開始。 |
2016(平成28) | 「戸河内25年(広島東洋カープ セ・リーグ優勝記念2016)」発売。 |
2017(平成29) | 桜尾蒸留所を竣工し蒸留再開。「戸河内 広島東洋カープ セ・リーグ優勝記念2017」発売。 |
2018(平成30) | 創業100年の記念事業としてSAKURAO DISTILLERYを設立。ジン「SAKURAO GIN ORIGINAL」「同 LIMITED」「SAKURAO GIN HAMAGOU」発売。見学を開始、ビジターセンターを開設。 |
2019(令和元) | 蒸留所2期工事(グレーンウイスキー設備導入、ウイスキー貯蔵庫新設、ホルタイン製ポットスチル1基を増設。従来あるハイブリッド型は再留用、ジン蒸留用とする。 |
2021(令和3) | 社名を株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリー(サクラオB&D)に変更。「シングルモルト桜尾 1st Release」「シングルモルト戸河内 1st Release」(ともにカスクストレングス)発売。発酵槽を増設。 |
2022(令和4) | 「シングルモルト桜尾」「シングルモルト戸河内」(ともにアルコール度数43%)、「シングルモルト桜尾 SHERRY CASK STILLMAN’S SELECTION」「シングルカスク桜尾 リカマンウイスキーメッセ2022ボトル」「戸河内2019 3年 for THE WHISKY CREW」「戸河内 2019 3年 ジャパニーズフェス2022 in 東京記念ボトル」発売。 |
2023(令和5) |
数量限定「戸河内ウヰスキー HIROSHIMA」広島県内限定発売。モルト、グレーン両ウイスキーともにSAKURAO DISTILLERYで蒸留、貯蔵、ブレンド、ボトリングした「ブレンデッドジャパニーズウイスキー戸河内 PREMIUM」「同 SAKE CASK FINISH」「同 BEER CASK FINISH」「同 PEATED CASK FINISH」発売。 サクラオB&D、新設ウイスキー蒸留所を含む「SAKURAO YOSHIWA WHISKY PARK(サクラオ ヨシワ ウイスキー パーク・仮称)」の建設を発表。 |
TWSC受賞歴
<TWSC2019>
銀 賞 | サクラオジン ハマゴウ |
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銅 賞 | サクラオジン オリジナル |
<TWSC2020>
金 賞 | 桜尾ジン オリジナル(ジャパニーズジンカテゴリーウィナー)/桜尾ジン ハマゴウ2019 |
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銀 賞 | 桜尾シングルカスク#5080/桜尾ジン バレルエイジド/桜尾ジン リミテッド |
銅 賞 | 桜尾ジン ヒロシマ |
<TWSC2021>
金 賞 | 桜尾ジン オリジナル/桜尾ジン ハマゴウ |
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銀 賞 | 桜尾ジン リミテッド |
<TWSC2022「桜尾ジン オリジナル」「桜尾ジン ハマゴウ」殿堂入り>
最高金賞 | 桜尾ジン オリジナル(ベスト・コストパフォーマンス賞 ジン部門)/ジャパニーズジン ニュートラルスピリッツベース カテゴリーウィナー) |
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金 賞 | 桜尾ジン ハマゴウ/戸河内 ファーストリリース カスクステレングス |
銀 賞 | 桜尾 ファーストリリース カスクストレングス |
<TWSC2023「SAKURAO DISTILLERY」イノベーション賞>
金 賞 | 桜尾 SHERRY CASK STILLMAN'S SELECTION/戸河内(ベスト・コスト・パフォーマンス賞 ジャパニーズウイスキー部門) |
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銀 賞 | 桜尾/サクラオ ジン ハマゴウ |
銅 賞 | サクラオ ジン オリジナル |
<TWSC2024>
金 賞 | 桜尾 シングルカスク #7154 |
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銅 賞 | シングルモルト戸河内 MISTY STILLMAN'S SELECTION |
更新履歴: | 2021年9月10日/9月22日/11月28日/2022年5月20日/6月19日/8月22日/9月23日/2023年5月31日/7月5日/8月29日/9月21日/11月24日/2024年4月6日/8月9日 |
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