最終更新日: 2025年09月05日
TAKAZO 高藏蒸留所
那珂川と千波湖で知られた名水の里、水戸市にある明利酒類は日本酒や梅酒、焼酎にジン、ウォッカなどを造る。3代目の加藤高藏氏の時代に明利酒類と改め、総合酒類メーカーとしての道を歩むようになり、続けて1952年に始めたのが、本格ウイスキー造り。しかし、1959年に火災により工場は焼失。以来60年以上、ウイスキー造りが途絶えていた。そして2022年免許を再取得し、3代目の名前を冠して誕生したのが高藏蒸溜所である。
ワンバッチは麦芽400㎏。マッシュタンは小型のもので、発酵槽は日本酒用のホーロータンクと、新しく導入したステンレスタンクが稼働。スチルはステンレス製が2基だが、どちらも銅材を内部に入れるなどして、独自の工夫をしている。使用する樽の種類は豊富だが、こだわっているのが、自社の「百年梅酒」の貯蔵に使ったプラムワイン樽。
長きに渡って酵母研究を行い、全国の酒蔵で使われる人気の酵母を開発。この酵母開発の技術と伝統で取り組んでいるのが、独自のウイスキー酵母。2024年にニューボーン「高藏リボーン」を販売、併せてピュアモルトのREBORNシリーズも登場させ、ウイスキー造り再開をアピールした。独自の酵母技術を活かしたウイスキーに期待したい。
所在地 | 茨城県水戸市元吉田町338 |
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所有者(オーナー企業) | 明利酒類 |
創業年(会社設立年) | 1950年 |
ウイスキー蒸留開始年 | 1952年(2022年再開) |
仕込水 | 那珂川水系の深層地下水 |
モルティング設備 | 無 |
ワンバッチ麦芽仕込量/仕込回数 | 400kg |
糖化槽・濾過器/数 | ステンレス製×1基 |
発酵槽/数/張込量/発酵時間 | ホーロータンク、ステンレスタンク |
初留器タイプ/メーカー/数/張込量 | ストレート型ステンレス製(内部に銅材を入れたもの)×1基 |
再留器タイプ/メーカー/数/張込量 | ストレート型ステンレス製(内部に銅材を入れたもの)×1基 |
その他の蒸留器(ウイスキー・その他/タイプ/数) | ステンレス製焼酎用ポットスチル |
ウェアハウス/貯蔵タイプ | 有・ラック式 |
ボトリング設備 | 有 |
ビジターセンター/見学 | 梅酒と清酒の資料館「別春館」有/酒蔵見学可(ウイスキー不可)/試飲有 |
製品 | ウイスキー ジン その他スピリッツ |
1950(昭和25) | 明利酒類株式会社設立。 |
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1952(昭和27) | ウイスキー製造を開始し、「ミトカウイスキー」を製造販売。 |
1954(昭和29) | 連続式蒸留機「アロスパス蒸留機」を建築。原料アルコールの蒸留・製造を開始。 |
1959年(昭和34) | 不慮の火災により工場を焼失。ウイスキー免許を返納。 |
2022(令和4) | ウイスキー製造免許を約60年ぶりに再取得。蒸留所名を高藏と名付ける。モルト及びグレーンウイスキー製造を開始。 |
2024(令和6) | ウイスキー製造の初製品シングルカスク「TAKAZO MALT」(3年未満)を蔵開きで披露。10月「高藏 REBORN」、「TAKAZO PURE MALT WHISKY REBORN PLUM WINE CASK FINISH」発売。冬「TAKAZO PURE MALT WHISKY REBORN MIZUNARA CASK FINISH」発売。 |
TWSC受賞歴
<TWSC2019>
銅 賞 | (ジン)和ジン |
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<TWSC2020>
銅 賞 | 【焼酎部門】常陸秋そば焼酎 赤土 |
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<TWSC2021>
銅 賞 | 【焼酎部門】本格焼芋焼酎 漫遊記 |
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<TWSC2022>
銀 賞 | 【焼酎部門】華むら咲 |
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更新履歴: | 2025年9月5日 |
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