最終更新日: 2024年08月09日
YOSHIDA DENZAI 吉田電材蒸留所
医療機器や産業機器などの製造販売を行う吉田電材工業が、異業種参入で設立した吉田電材蒸留所。新潟県村上市にて2022年10月より本格稼働を始めた。この蒸留所の一番の特徴は、日本で初めてのアメリカンタイプ、つまりバーボンタイプのグレーンウイスキーを造るクラフト蒸留所であることだ。3代目社長であり、蒸留所所長の松本匡史氏は、「後発である以上、他の蒸留所とは違う形にして差別化したかった」と、その強い決意を語る。また、ゆくゆくはグレーン専業蒸留所として、他のクラフト蒸留所にグレーンウイスキーを供給する役割も担いたいと考えている。
仕込水の主な水源は日本一綺麗な河川に選出されたこともある荒川の地下水で、硬度57mg/ℓ前後の軟水。原材料にはデントコーンやライモルト、麦芽などを使う。糖化以降の設備はすべてドイツのコーテ社製。クッカーは、容量5,000リットルのステンレス製、発酵槽もステンレス製で、容量5,800リットル、高さ約5mのものが6基ある。スチルは、容量5,000リットルのヘルメット型ポットスチルと8段コラムスチルのハイブリットタイプ。シカゴのコーヴァル蒸留所で使用されているスチルとほぼ同様のもので、2022年10月上旬に行われた初蒸留には、コーヴァルの創業者であるロバート・バーネッカー氏もアメリカから駆け付けた。
まずは、年間仕込み回数180回、10万リットル(平均アルコール度数62%)の生産を目標とし、将来的には年間250回以上を仕込む予定。さらに原材料をすべて国産にするという青写真も描き、新潟県内の農家とともにデントコーン、大麦、小麦、ライ麦をつくるプロジェクトもスタートさせた。生産が軌道に乗り次第、見学の受け入れなども開始する予定。
所在地 | 新潟県村上市宿田344-1 |
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所有者(オーナー企業) | 吉田電材工業 |
創業年(会社設立年) | 1940年 |
ウイスキー蒸留開始年 | 2022年 |
仕込水 | 敷地内の井戸水(荒川の地下水系、軟水57度前後) |
モルティング | 無 |
モルトミル | ハンマーミル(宝田工業製)×1基 |
ワンバッチ麦芽仕込量(マッシュレイシオ)/仕込回数 | 約1トン |
年間生産能力(LPAまたはリットル[平均アルコール度数]) | 10万リットル(アルコール度数平均62%、予定) |
糖化槽(マッシュタン)・濾過器/数/容量(張込量) | ステンレス(ドイツ、コーテ製)×1基/5,000リットル ※クッカー(糖化槽) |
発酵槽(ウォッシュバック)/数/容量(張込量)/発酵時間/モロミ度数 | ステンレス(ドイツ、カール・ボックマイヤー製)×6基/5,800リットル |
初留器タイプ/数/容量(張込量) | ヘルメット型ポットスチル(ドイツ、コーテ製)×1基/5,000リットルとコラムスチル(8段)のハイブリットタイプ×1セット |
加熱方式:初留/時間 | スチーム |
冷却装置:初留 | 冷却塔 |
再留器タイプ/数/容量(張込量) | 無(ハイブリッドスチルで兼用) |
樽詰度数 | 60~62%% |
ウェアハウス/貯蔵タイプ | 未定 |
ビジターセンター/見学 | 無/可(要 事前相談) |
製品 | ウイスキー |
特記事項 | グレーンウイスキー専業のクラフト蒸留所としてデントコーンやライモルトなどを原料に、バーボンタイプのウイスキー原酒造りを予定。蒸留所は延床面積約1,090平方メートル、標高約5ⅿ。 |
1940(昭和15) | 吉田電材工業、創業。電気機器・合成樹脂・医療機器の製造販売。 |
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2017(平成29) | 新潟県胎内市にて製造、加工販売のヨシデンを設立。 |
2021(令和3) | 新潟に蒸留所の建設を計画、ウイスキー試験免許を取得。 |
2022(令和4) | ウイスキー製造免許取得。製造開始。 |
更新履歴: | 2022年3月1日/2023年2月2日/8月29日/2024年8月9日 |
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