最終更新日: 2024年08月28日
GAIAFLOW SHIZUOKA ガイアフロー静岡蒸溜所
JR静岡駅から安倍川沿いに車で40分ほど。オクシズ(奥静岡)の山々に囲まれた、緑豊かな自然の中に建つのがガイアフロー静岡蒸溜所だ。ウイスキーの輸入販売事業を行っていた中村大航氏によって2016年に開設し、同年10月に蒸留をスタートした。敷地内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが冷却水用の大きな貯水池。その池の畔に建つ蒸溜所の内外装には静岡産の檜が使われているという。和洋の美を現代的に調和させたこの建物は、静岡在住のアメリカ人建築家バストン・デレック氏によるデザインだ。
ガイアフローでは地元静岡の風土に根差したウイスキー造りをポリシーに掲げ、2018年にはオール静岡産ウイスキーの仕込みも実現させた。現在の仕込み量はワンバッチ麦芽1トン。稼働する3基のポットスチルのうちの一つは軽井沢蒸留所(2012年閉鎖)から移設された初留釜の「K」で、2020年には「K」で蒸留した原酒で構成された初のシングルモルトを発売した。また、フォーサイス社に発注した「W」(初留)は、おそらく世界唯一の薪による直火焚き蒸留器。もちろん、使用する薪は地元の間伐材だ。こちらも2021年に初のシングルモルトが発売され、ボディ感のある原酒に仕上がっている。
所在地 | 静岡県静岡市葵区落合555 |
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所有者(オーナー企業) | ガイアフローディスティリング |
創業年(会社設立年) | 2012年(ガイアフロー) |
ウイスキー蒸留開始年 | 2016年 |
仕込水 | 中河内川伏流水・蒸留所内の井戸水(硬度69) |
麦芽のフェノール値 | ノンピート、ヘビリーピート40ppm |
モルティング | 無 |
モルトミル | 4本ローラーミル(ポーティアス製・元メルシャン軽井沢蒸留所) |
ワンバッチ麦芽仕込量(マッシュレイシオ)/仕込回数 | 1トン |
年間生産能力(LPAまたはリットル[平均アルコール度数]) | 7万リットル[LPA] |
糖化槽(マッシュタン)・濾過器/数/容量(張込量) | ステンレス・フルロイタータン(三宅製作所製)/9,300リットル(4,000リットル) |
麦汁量/麦汁糖度 | 5,200リットル |
イースト菌/添加量 | マウリ製ドライイースト(ピナクル)、静岡モルトイースト(NMZ-0688) |
発酵槽(ウォッシュバック)/数/容量(張込量)/発酵時間/モロミ度数 | オレゴンパイン(ウッドワークス製)×4基/8,000リットル、静岡県産杉材(蓋含む)(ウッドワークス製)×6基/8,000リットル |
初留器タイプ/数/容量(張込量) | バルジ型(フォーサイス製、名称:W)×1基/6,000リットル(5,000リットル)、ランタン型(日本蒸溜工業製、名称:K、旧メルシャン軽井沢蒸留所)×1基/3,500リットル |
加熱方式:初留/時間 | W=薪直火(約800℃)およびスチームパイプ併用可能なハイブリッド型、K=スチームパイプ/スチームパイプ&フィン/S=スチームプレートヒーター |
冷却装置:初留 | シェル&チューブ |
再留器タイプ/数/容量(張込量) | バルジ型(フォーサイス製、名称:S)×1基/4,000リットル(3,600リットル) |
加熱方式:再留/時間/ミドルカット(度数) | スチーム |
冷却装置:再留 | シェル&チューブ |
樽詰度数 | 63.8% |
ウェアハウス/貯蔵タイプ | ダンネージ式×1棟、ラック式(6段)×1棟、および第3熟成庫/3,800樽 |
ボトリング設備 | 有 |
ビジターセンター/見学 | 有/可(要予約)/1,100円(月水金1日1回、土日1日3回程度開催) |
製品 | ウイスキー |
特記事項 | 敷地面積約2万平方メートル(製造棟:約900平方メートル、熟成庫:約420平方メートル、第2:約680平方メートル)、標高約180m。スピリッツ製造用にバイブリッド型スチル(ホルスタイン製)を所有。ウェアハウスに元軽井沢蒸留所のランタン型ポットスチル2基を展示。シンボルはカワセミと鮎。海外ウイスキー・スピリッツブランド(ブラックアダー、アムルット、アスタモリス、スペイ、ハイランドクィーンほか)の代理店業務も行う。 |
2012(平成24) | ガイアフロー、ウイスキー輸入代理店として創業。 |
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2014(平成26) | ガイアフローディスティリング設立。 |
2015(平成27) | 元メルシャン軽井沢蒸留所の製造設備の取得。蒸留所の建設を開始し、ウイスキー製造業に参入。 |
2016(平成28) | ガイアフロー静岡蒸溜所竣工。ウイスキー製造免許取得、蒸留開始。 |
2017(平成29) | 樽単位で購入できる「静岡プライベートカスク」販売開始(随時受付、2022年樽詰分については抽選)。 |
2018(平成30) | 年1回リリースするニューポット、ニュースピリッツ、ウイスキーを届ける「静岡プレミアムボトル・セレクション」販売。静岡県産杉材発酵槽を3基追加、合計8基となる。冷却用貯水池、第2熟成庫完成。オール静岡産ウイスキーの製造に向け、蒸留所近隣で栽培・収獲された大麦を原料に使用。 |
2019(令和元) | 「ブラックアダー 静岡フェア2019限定ボトル 静岡蒸溜所 シングルモルト ニューメイクスピリッツ 軽井沢蒸留機 29ヶ月」発売。その他にも、ブラックアダー及びアスタモリスとコラボレーションする形で、ニューメイクとカスクサンプルセットを海外限定で発売。オール静岡産ウイスキー造りで、静岡県焼津市で3軒の農家の協力により大麦栽培(二条大麦ニューサチホゴールデン)を本格的に開始、翌年5月収穫。 |
2020(令和2) | 初のガイアフローシングルモルト日本ウイスキー「静岡プロローグK」発売。静岡県産杉材発酵槽2基追加。 |
2021(令和3) | 「シングルモルト静岡プロローグW」「同コンタクトS」発売。 |
2022(令和4) | 「ガイアフローウイスキーブレンデッドM」「ブラックアダー ロウカスク シングルモルト静岡2018 3年 Cask No. 781」「同 Cask No. 1357 日本大麦100% 日本ワイン樽熟成」、日本産大麦麦芽100%使用した「シングルモルト静岡 ポットスティルK 純日本大麦 初版」「同ポットスティルW 純外国産大麦 初版」発売。ロッテが蒸留所とのコラボレーションで日本のクラフト酒チョコレート「YOIYO 静岡-782-」(シングルカスク782を使用)発売。第3貯蔵庫を建設。 |
2023(令和5) | 「シングルモルト静岡ポットスティルK 純外国産大麦 初版」発売。100リットル樽単位での予約サービス「プライベートカスク2023 クォーター」を販売。「ブラックアダー ロウカスクシングルモルト静岡 for Tokyo International Bar Show 2023」「シングルモルト日本ウイスキー静岡 ポットスティルW 純日本大麦 初版」「静岡蒸溜所プライベートカスク2017-2023 5年 for THE WHISKY PLUS 」発売。ウイスキーづくり体験の「静岡ウイスキースクール」を開校(随時定期的に開催)。「ガイアフロー静岡 2018 4年 for Whisky Festival 2023 in YOKOHAMA」「静岡 ユナイテッドS 2023 夏」500mlボトルで発売。「静岡プライベートカスク ディスティラリー・リザーブ ピーテッドモルト オクタヴ3年 静岡クラフトビール&ウイスキーフェア 2023静岡蒸溜所記念ボトル」「静岡ポットスティルK 純⽇本産⼤⻨ 2023 年版」発売。静岡産100%で製造した「静岡プライベートカスクディスティラリー・リザーブ Cask No. 835 100%静岡大麦 exバーボンバレル 5年」発売。「静岡 ユナイテッドS 2023 冬」発売。 |
2024(令和6) | 「ガイアフローウイスキー ブレンデッドM ルーキーレーシング 2023 エディション」「静岡 ポットスティルW 純外国大麦 2024年版」「静岡 ユナイテッド S 2024 夏」「静岡クラフトビール&ウイスキーフェア 2024 静岡蒸溜所記念ボトル」「静岡 ポットスティルK 純外国産大麦 2024年版」発売。「静岡プライベートカスク2024 オクタヴ」「プライベートカスク2025 バレル」販売。「シングルモルト日本ウイスキー 静岡 ポットスティルW 純日本大麦 2024年版」発売。 |
更新履歴: | 2021年9月7日/9月16日/11月25日/12月02日/2022年4月19日/8月22日/2023年3月9日/5月16日/6月9日/7月13日/8月29日/11月14日/2024年1月5日/7月19日/8月23日/8月28日 |
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