JWIC－ジャパニーズウイスキーインフォメーションセンター

最終更新日： 2025年08月21日

GENRYU Far Yeast 源流蒸溜所

東京都と隣接しながら、北ヨーロッパの気候に近い環境にある山梨県・小菅村に設立された『Far Yeast 源流蒸溜所』。人口約700人という小菅村は、村内の９割以上が森林という自然豊かな土地で、多摩川の源流域である。運営するFar Yeast Brewing㈱はこのビールの発酵に最適な場所で、「Far Yeast」東京シリーズをはじめとした様々なスタイルのビール造りに取り組んできたが、2022年からビール製造と共に、ウイスキー造りをスタートさせている。

Far Yeast Brewingは、「Far Yeast」や「Off Trail」といったクラフトビールにて数々の品評会で賞を得るとともに、東京・熱海・福岡・台湾に直営飲食店を展開するなど、多くのビールファンから注目されている。さらにコロナ禍で賞味期限が迫りロスとなってしまったビールを単式蒸留器で２回蒸留を行い、クラフトジンとして再生化するといったイノベーティブな蒸留酒造りに挑戦するブランド「Off Trail – Azeotrope」を立ち上げて、高い評価を獲得。現在はクラフトビールに加え、ビールと蒸留酒のクロスオーバーブランドによるスピリッツやリキュールなど多彩な製品を製造・販売し、この培ってきた技術をベースにした、ウイスキー造りを順次行っているという。

仕込み水として使うのは、清らかな多摩川の源流水で、麦芽はノンピートを使用。ビール酵母などを活用することで発酵をし、ホヤ社製のアランビック型ポットスチルで蒸留。ウイスキーの製造は不定期であるものの、チャレンジ精神による特徴あるウイスキー製品の登場が期待される。

蒸留所DATA

所在地	山梨県北都留郡小菅村4341-1
所有者（オーナー企業）	Far Yeast Brewing
創業年（会社設立年）	2011年
ウイスキー蒸留開始年	2022年
仕込水	多摩川の源流の水
原料大麦（品種／産地／メーカー・タイプ）	ドイツ産、ベルギー産をメインに使用／ワイヤマン社製、ディンゲマン社製
麦芽のフェノール値	ノンピート
モルティング設備	無
モルトミル	2本ローラーミル
ワンバッチ麦芽仕込量／仕込回数	0.85トン／仕込みは不定期
糖化槽・濾過器／数	ステンレス製フルロイタータン（中国製）×1基／3,000リットル
麦汁量	3,100リットル
イースト菌	ディスティラリー酵母、ビール酵母
発酵槽／数／張込量／発酵時間	ステンレス製（中国製）×16基 ※ビールと兼用／3,000リットル／発酵約150時間
初留器タイプ／メーカー／数／張込量	アランビック型（ホヤ製）×1基／1,000リットル
加熱方式	スチームコイル間接加熱／約6時間
冷却装置	シェル＆チューブ
再留器タイプ／メーカー／数／張込量	アランビック型（ホヤ製）×1基／1,000リットル
加熱方式／ミドルカット	スチームコイル間接加熱／約7時間
冷却装置	シェル＆チューブ
樽詰度数	約62％
ウェアハウス／貯蔵タイプ	ラック式／パラタイズ式／主にバーボン樽、その他ワイン樽、ラム樽など
ボトリング設備	有
ビジターセンター／見学	無／不可
製品	ウイスキージン
特記事項	標高約640ｍ、延床面積約1,450平方メートル。

History

2011	日本クラフトビール株式会社設立。
2012	ベルギー産｢馨和 KAGUA｣の輸入･販売を開始。
2014	委託醸造による自社製品｢FAR YEAST」販売開始。
2015	Far Yeast Brewing 株式会社へ社名変更。
2017	山梨県の小菅村に初の自社工場「源流醸造所」を立ち上げ
2020	山梨県小菅村に本社を移転
2022	Far Yeast Brewing源流醸造所、ウイスキー免許取得。ウイスキー製造を開始。

TWSC受賞歴

＜TWSC2022＞

銀賞	オフトレイルアゼオトロープモルトジンニューポット・ブレンデッド

＜TWSC2023＞

最高金賞	オフトレイルアゼオトロープビアディスティルドジンサンショウパンチニューポット
金賞	オフトレイルアゼオトロープビアディスティルドジンサンショウパンチエイジドウィズオーク／オフトレイルアゼオトロープモルトジンジェントリーピーテッドニューポット

＜TWSC2024＞

銀賞	（ジン）ビアディスティルドジンサンショウパンチ／（ジン）ビアディスティルドジンサンショウパンチエイジドウィズオーク／（ジン）デューオブベルガモット
銅賞	（ジン）ディスティラーズチョイスベータ／（ジン）ディスティラーズチョイスガンマ

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