最終更新日: 2024年08月20日
MARS TSUNUKI マルス津貫蒸溜所
本坊酒造創業の地に誕生した、同社第二のウイスキー蒸留所。マルス信州蒸溜所が中央アルプスと南アルプスを望む寒冷な山あいに位置するのに対し、薩摩半島南西の山間に位置する津貫は、温暖な気候でありながら、寒暖差もあり、同じ期間でもウイスキーは熟成度が異なったものに仕上がる。
ウイスキー用のスチルは1対2基で、いずれも2016年の開設時に導入した三宅製作所製。ラインアームがマルス信州のものよりも下向きに設計され、ガラス製のマンホールからは中の様子が確認できるようになっている。仕込みはワンバッチ麦芽1.1トン。信州の原酒がクリーンでライトであるのに対し、津貫はリッチでヘビーな酒質を生むのが特徴だ。ここでは鹿児島のボタニカルを使用したジンも製造している。また、蒸留所のシンボルにもなっている背の高い建物(旧蒸留棟)にはかつて使われていた焼酎、醸造アルコール用の連続式蒸留機があり、見学することができる。ほかにも本坊家の旧邸宅を改装したカフェバー&ショップの「寳常」がある。
所在地 | 鹿児島県南さつま市加世田津貫6594 |
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所有者(オーナー企業) | 本坊酒造 |
創業年(会社設立年) | 1872年 |
ウイスキー蒸留開始年 | 2016年 |
仕込水 | 蔵多山山系の湧水 |
麦芽のフェノール値 | ノンピート、ピーテッド(50ppm) |
モルティング | 無 |
モルトミル | カンゼル小型ミル(ドイツ、カンゼル製)×1基 |
ワンバッチ麦芽仕込量(マッシュレイシオ)/仕込回数 | 1.1トン |
年間生産能力(LPAまたはリットル[平均アルコール度数]) | 約11万リットル(平均アルコール度数60%) |
糖化槽(マッシュタン)・濾過器/数/容量(張込量) | ステンレス・フルロイタータン(三宅製作所製)×1基/6,000リットル |
麦汁量/麦汁糖度 | 6,00リットル |
イースト菌/添加量 | ディスティラリー酵母、エール酵母 |
発酵槽(ウォッシュバック)/数/容量(張込量)/発酵時間/モロミ度数 | ステンレス製×5基/6,000リットル |
初留器タイプ/数/容量(張込量) | ストレート(オニオン)型(三宅製作所製)×1基/6,000リットル |
加熱方式:初留/時間 | スチームパーコレーター |
冷却装置:初留 | ワームタブ |
再留器タイプ/数/容量(張込量) | ストレート型(三宅製作所製)×1基/3,300リットル(2,700リットル) |
加熱方式:再留/時間/ミドルカット(度数) | スチームパーコレーター |
冷却装置:再留 | ワームタブ |
樽詰度数 | 60% |
ウェアハウス/貯蔵タイプ | 有(石蔵樽貯蔵庫、ラック式)/その他、信州、屋久島エージングセラーの利用有。 |
ボトリング設備 | 無 |
ビジターセンター/見学 | 有/可 |
製品 | ウイスキー ジン その他スピリッツ |
特記事項 | 敷地面積約2万4,000平方メートル。ジン製造用にイタリア、バリソン製ハイブリッドスチル400リットル×1基、小型銅製ポットスチル500リットル×1基を所有。地元鹿児島産のボタニカルを使ったジンを製造。1970年代まで稼働していたスーパーアロスパス式連続式蒸留機が旧蒸留塔内(高さ26m)に収められており見学できる。 |
1949(昭和24) | 本坊酒造、鹿児島でウイスキー製造免許を取得。岩井喜一郎の指導により、初めてとなるウイスキーを製造。 |
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1960年(昭和35) | 山梨工場竣工。鹿児島のウイスキー製造免許を山梨へ移転。ウイスキー、ワインの製造開始。岩井喜一郎がウイスキー部門の計画をまかされ工場設計と製造指導に携わる。ブランド名「マルスウイスキー」販売開始。 |
1969(昭和44) | 鹿児島工場ウイスキー製造免許を新規再取得。 |
1984(昭和59) | 鹿児島工場でのモルト原酒蒸留を休止。 |
1985(昭和60) | マルス信州蒸溜所竣工。山梨の製造免許を長野へ移転、蒸留設備を移設。 |
1992(平成4) | マルス信州蒸溜所、蒸留を休止(~2011年まで)。 |
1995(平成7) | シングルモルト「モルテージ薩摩12年」「モルテージ駒ヶ岳10年」発売。 |
1998(平成10) | シングルモルト「モルテージ薩摩15年」発売。 |
2004(平成16) | シングルモルト「ヴィンテージ薩摩1984」発売。 |
2009(平成21) | シングルモルト「The Malt of Kagoshima1984」発売。 |
2016(平成28) | マルス津貫蒸溜所、マルス屋久島エージングセラー竣工。ブレンデッドウイスキー「HHAE」「津貫ニューポット ・ノンピーテッド2016」発売。 |
2017(平成29) | 「津貫ニューポット・ヘビリーピーテッド2017」「Japanese GIN 和美人」発売。 |
2018(平成30) | 「津貫ニューポット・ミディアムピーテッド2018」発売。 |
2020(令和2) | 「シングルモルト津貫 THE FIRST」発売。 |
2021(令和3) | 「シングルモルト津貫 PEATED」発売。 |
2022(令和4) | 「シングルモルト津貫2022 エディション」「MARS The Y.A. #01」発売。 |
2023(令和5) | 「シングルモルト津貫2023 エディション」「シングルカスク津貫2017 No.T465(SHIROYAMA HOTEL kagoshima 60周年記念セレクション)」発売。 |
2024(令和6) | 「MARS The Y.A. #03」(マルス信州、マルス津貫原酒使用)発売。 |
東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)受賞歴
<TWSC2020>
金 賞 | 【焼酎部門】茜風43芋〈津貫貴匠蔵〉 |
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銀 賞 | (ジン)和美人/(ジン)和美人 コニャックカスク フィニッシュ/【焼酎部門】貴匠蔵〈津貫貴匠蔵〉 |
銅 賞 | 【焼酎部門】魂の芋〈津貫貴匠蔵〉 |
<TWSC2021>
金 賞 | 津貫ザ ファースト(ジャパニーズウイスキー・シングルモルト・ノンエイジ カテゴリーウィナー)/津貫2016 3年シングルカスク#5134/津貫2017 3年シングルカスク #T333/【焼酎部門】茜風43〈津貫貴匠蔵〉/【焼酎部門】貴匠蔵 セラーセレクション〈津貫貴匠蔵〉/【焼酎部門】原酒 魂の芋〈津貫貴匠蔵〉 |
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銀 賞 | 津貫ピーテッド/(ジン)和美人 ダブルカスクフィニッシュ2020 |
銅 賞 | 【焼酎部門】魂の芋〈津貫貴匠蔵〉 |
<TWSC2022>
金 賞 | 津貫 シングルカスク #T491/(ジン)和美人 /(ジン)和美人 ウイスキーカスクフィニッシュ 2021/【焼酎部門】甕幻〈津貫貴匠蔵〉/【焼酎部門】原酒 魂の芋〈津貫貴匠蔵〉 |
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銀 賞 | 津貫2021 南さつま市/津貫2022 エディション/津貫 シングルカスク #T86/津貫 ニューポット・へビリーピ―テッド2021 |
銅 賞 | 【焼酎部門】茜風43〈津貫貴匠蔵〉 |
<TWSC2023>
最高金賞 | 【焼酎部門】茜風43〈津貫貴匠蔵〉/【焼酎部門】屋久島 大自林 麦〈屋久島伝承蔵〉 |
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金 賞 | 津貫 2023エディション/津貫 6th Anniversary of Mars Tsumuki DIstillery/ 【焼酎部門】屋久杉 Yakushima Jisugi Cask Aging〈屋久島伝承蔵〉 |
銀 賞 | 【焼酎部門】貴匠蔵 セラーセレクション〈津貫貴匠蔵〉/【焼酎部門】原酒 魂の芋〈津貫貴匠蔵〉/【焼酎部門】酔麦香〈津貫貴匠蔵〉 |
銅 賞 | (ジン)和美人 /【焼酎部門】あらざわ桜島〈知覧蒸溜所〉 |
<TWSC2024「Japanese GIN 和美人」ベスト・オブ・ザ・ベスト【ジャパニーズジン部門】受賞>
最高金賞 | (ジン)Japanese GIN 和美人(BEST OF THE BEST/ベスト・カテゴリー賞【ジャパニーズジン部門】)/【焼酎・泡盛部門】(焼酎)あらわざ桜島 |
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金 賞 | 津貫 2024エディション/津貫 7th Anniversary of Mars Tsunuki Distillery |
銀 賞 | シングルカスク津貫 AGED 6 YEARS Cask No.T121/MARS The Y.A. #02 /【焼酎・泡盛部門】(焼酎)茜風43/原酒 魂の芋 |
銅 賞 | (焼酎)貴匠蔵 セラーコレクション |
更新履歴: | 2021年9月10日/9月16日/9月22日/10月29日/11月14日/2022年5月21日/8月24日/10月25日/2023年2月17日/3月31日/8月29日2024年4月6日/5月5日/8月9日/8月20日 |
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